こんな事で悩む人なんているのかと思うような話ですが、
僕は19歳の頃に、「友達」と呼ぶことに抵抗を感じた時期がありました。
小学校~中学校の時は、そんな事を思うこともなく誰かに紹介する時は「友達」と普通に呼んでいたと思います。
ですが、高校を卒業してから20代前半にかけて呼べなくなってしまったんです。
プロフィールにも書いているのですが、僕は高校の時に親友をバイク事故で亡くしました。
そこから心を閉ざしてしまった時期があります。
誰とも会いたくない、、誰とも話したくない、、と引きこもりの日々が続きました。
それでも高校を卒業できたのは父親が入学した時に、「高校卒業するのが親孝行や」とゆう言葉を思い出したからです。
幸い、追試などを受けて留年にはならず無事卒業はできましたが、子供の頃から笑顔でいる事だけが取り柄だった自分が笑顔を忘れてしまいました。
人と対面すると上手く笑う事ができなくなったのです。頑張って笑おうとするのですが、顔が引きつっているのが自分でも分かっていました。
今思えば、それだけ親友を失ったショックが大きかったんだと思います。
心のどこかで、これ以上何かを失う事が怖かったんです。
幼い頃から友達を一番に考えていた自分には大きすぎる出来事でした。
何を基準に「友達」になるんやろ?
僕は昔からオープンな性格で、人懐っこく誰彼構わず心を開いて接していました。
半日、一日一緒に過ごしたら、『もう友達やんな?』と聞いていたくらいです(笑)
今思えば、それを鬱陶しいと思う人も中にはいたやろーな~と思います(^^;
話を戻しますが、そんな自分が親友の死をきっかけに「友達」って何なんやろって生まれて初めて考えました。今まで当たり前のように友達と呼んでいたのですが、途端に重たい言葉になって分からなくなってしまったのです。
ただ一緒にいたら友達なのか、、相手が友達と呼んでくれたら友達なのか、、そう考えると自分には友達はいないんじゃないか、、とか言い出したらきりがないくらい頭の中では「友達」とゆうワードの事で頭の中がグルグルなっていました。
そんな日々が続いていたある日、その答えとなるきっかけが一つあったのです。
とある一人の女の子との出会い、、
僕はその当時実家に住んでいたのですが、突如一人暮らしをしていた兄貴から連絡があり、
『お前のところに一人女の子住ましたってくれ』と連絡がありました。
理由を聞くと「彼氏と別れて行く場所がなかったから泊めてあげてたけど、しんどくなったから住ましたってくれ」との事でした。。(笑)今思うと知らない女の子を住ますとゆうめちゃくちゃな話ですが、当時の僕は「困ってるんなら仕方がない」と思い承諾しました。
それから早速兄貴が女の子を家に連れてきて、紹介もそこそこに帰って行きました。
そして、その日から女の子との同居生活が始まりました。。
ここでは名前をM子とさせて頂きますが、話を聞くとM子は16歳でアパレルの仕事をしていました。実家に帰らなかったのは親との関係がうまくいってなかったからみたいです。
そんなM子の印象は、「とにかく良く喋る」女の子でした。
ラジオなんかな、、と思うくらいよく喋る女の子だったのです。
それでも僕が鬱陶しいとは思わなかったのは、その当時僕が人と話す事が少なくなっていたからです。頑なな気持ちは薄らいでいたのですが、やはり親友を亡くして以来人と会うのが極端に減っていたんですね。。
それもあり、こっちが気を遣って話す事もないので楽だったんです。(それでもそんなに話して息継ぎできてるんかな、、と思うくらいでしたが(笑))
そんな良く喋るM子と過ごしているうちに、楽しくなっている自分がいました。
少しづつですが、心を開いて話したり、自然に笑えてると思ってきました。
そんな気持ちになったのは本当に久しぶりだったのです。
自分の中で見つけた“友達”の定義
ある日のこと、M子が僕にお願いをしてきました、、『ゆうじ、悪いんやけどお金払うから仕事に行くのに毎日駅まで送り迎えしてくれん?』とのことでした。
僕に気を遣っていたのか、今までは何も言わず駅まで歩いて行ったり、タクシーを使っていたみたいなのでしんどくなったのでしょう。
僕は実家暮らしとゆうのもあり、その当時は働いていなかったので、『別にかまへんで』と承諾しました。
今思えば、16歳で朝早くから夜遅くまでアパレルで社員として働いていたので凄いなぁと思います。弱音も吐かずに毎日淡々と働きに出ていました。
そんな彼女を見てか僕も日雇いですが、バイトを始めました。人と接するのに抵抗があった自分が、彼女と出会った事で少し気持ちにも変化が出てきたのです。
それでも毎日駅への送り迎えはかかさずしていました。
送ってはそのまま仕事に行き、帰ってきては迎えに行くとゆうのが日課になっていました。
そんな日々を過ごしていたある日、少しの事件が起きました。
事件とゆうと大袈裟なのですが、少なくとも僕の記憶に今でもはっきりと覚えているくらい衝撃的な出来事でした。。
ある日、いつものように朝、M子を駅まで送り、仕事をして、家に帰って、お風呂に入って、後はM子を駅まで迎えに行ったら一日が終わる予定でした。。
ですが、今日に限って疲れていたのかお風呂に上がったら眠ってしまっていたんです。
気づいて目が覚めた時は、もうすでにM子を駅まで迎えに行ってる時間をとっくに過ぎていたんです。
それでも部屋にはM子がいなかったので、連絡することを考えるよりも先に体が動いていました。急いで部屋を出た瞬間、何かとぶつかりました。。それは、M子でした。
ぶつかった事にも驚いたのですが、その後もっと驚いたのは、M子が目を真っ赤にして泣いていたのです。
それと同時に何か言おうとした瞬間、M子の手が僕の頬っぺたを叩きました。
僕は痛いとゆう気持ちではなく、突然の出来事に心底びっくりしました。。
何が起きたと理解するのに数秒かかりました。
その後泣きながらM子の口から震えた声で、『何で電話に出ぇへんの、、?何かあったんちゃうかって本間にめっちゃ心配したんやから、、』と泣きながら何度も何度も僕の目を見たまま言いました。。
僕は最初びっくりしすぎて何も言えませんでしたが、その後『ごめん、、ごめん、、』と何度も謝りました。
こんな出来事は僕の人生の中で一度もありませんでした。。
女の子に叩かれる事もなければ、心配されて泣かれた事もなかったのです。。
その時はただただ、びっくりした気持ちと本当に悪いことをしたとゆう気持ちでしたが、気づけばそれが後から嬉しい気持ちに変わっていました。
僕は自分の中で何かが芽生えたのを感じました。
「この子をこれからもずっと大事にしていこうと、、」
それは恋愛感情とかではなく、ただただ一人の人間として、「友達」として、、大事にしていこうと決めた瞬間でした。
僕の事を想って本気で怒る、、僕の事を想って涙を流す、、友達が多いと思っていた自分にとって初めての経験でした。。
今でも鮮明に覚えていますし、この先も忘れる事はありません。
この出来事が僕にとって『友達』の定義の土台になりました。
それから15年以上の歳月が流れていますが、今自分の「友達」と呼べる人たちは皆M子みたいな人たちです。
ちなみに、M子は現在は結婚して、子供にも恵まれています。
今でもお互いの時間が合った時は、会って昔話や、近況報告などをしています(´ー`)
実は彼女にはこの話をいまだにしたことがないんです(笑)
この記事を書いていて、すごく懐かしい気持ちになったので、これを機に次に会った時に話してみようと思います(´▽`)
読んでくれた人の心に一人でもいいから届いたらなぁと思いながら今日も執筆しています。。
ほなまた(/・ω・)/